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ESSAY(2000年7月)|高田明美オフィシャルホームページ ~ Angels ~

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ESSAY

2000年に立ち上げた旧公式サイトの日記を移転しました。今後の更新は、特別に残しておきたい思いがあった時に書くかも?

2000年7月

  • ANIME EXPO 2000 日記 Part12000年07月30日

    6月29日から7月6日の8日間、今年2回目のアメリカ出張に行ってきまし た。前回のダラスの Project A-kon に続き、今度はL.A.、アナハイムのディズ ニーランドホテルリゾートで行われた ANIME EXPO 2000 への出席のためでし た。さすがに6月5日に帰国したばかりで、ちょっとつらいなぁと思っていまし たが、行ってみれば結構楽しんで帰ってきました。けれども案の定、帰った後に は帳尻会わせが大変で、日記のアップが遅れてしまいました。

    ◆6月29日(木)
    いつもは知らん顔の猫がなついてきて、ちょっと後ろ髪を引かれる思い。犬は ササミジャーキーに気を取られているうちに、そそくさと出発。それぞれ人に頼 んではあるものの、帰るまで元気でいてね、と心で思う。
    今回は ANIME EXPO 2000 の会場で私の原画展も開催された。先乗りしている 表参道の画廊GoFaのスタッフの人とは現地で落ち合うことになっていたので、一 人で成田から発つことになっていた。新宿から成田エクスプレスに乗ると、結構 激しく雨が降ってきた。窓を流れる雨の筋の写真が取りたかったのだが、バック パックを荷物置き場に置いてきてしまっていたのであきらめた。
    梅雨の日本から砂漠地帯のカリフォルニアへ‥‥
    これから遥かな距離を飛行機に乗って行くのだと思う。

    今回の便は満席で、成田ーロサンゼルス便の人気を実感。
    ボーイング747の2階席の窓側最前列で、座席の脇に荷物入れがあったのが嬉しい。 ドル箱路線だけあって、座席ごとにTVモニターとコントローラーが付いていて、設備は良 い。しかもその端末をひっくり返すと衛生回線を使った電話をクレジットカード でかけられるというもの。成田を発って5時間、退屈もしていたこともあって、 思わず日本に電話してしまう。1分7.8ドル。もったいないから止めろと言われ て切るものの、まさかこの後日本との交信にあれほどの苦労をするとは思わなか ったのだが‥‥

    長いフライトの後、ようやくL.A.の空港に着くが、入国管理は長蛇の列。
    私がついた列は特に手際が悪く、2時間近くかかってようやく入国。
    迎えの人を捜してうろつきまわる。
    “ANIME EXPO” とか“TAKADA San”とか書いてある紙を持った人を探していたのだが “AX”とだけ書かれた紙を持ったスタッフの人にあう。 アメリカ人って省略が好きなのか、そういえばここもロサンゼルス空港じゃ なくてLAXだしなぁと思いつつ、遅くなったことを謝りながら歩く。実際、初め の頃にでてきた人とは1時間以上のタイムラグがあったらしい。
    そして、ホテルまで通常なら車で30分のところ、珍しく渋滞に巻き込まれてしまったらしい。 見ると火を吹く車があって、カリフォルニアハイウェイパトロールの本物(当た り前)が交通整理をしていた。

     ホテルについても何故かチェックインにひどく手間取るし、部屋には荷物を投 げ入れて、すぐにグリーンルームへ。ここはゲストのための応接間のようなもの で、広い窓があって飲み物なども用意されていた。日本を発ってからもうずいぶ ん発っていて、シャワーが浴びたかったので会場案内を断って、シャワーを浴び に部屋に戻る。大慌てでグリーンルームに戻ったものの、なかなかレストランに 出発せず、よろずアメリカでは時間通りに行かないものだなぁと溜息。

    ウェルカムディナーはメキシコ料理。
    口のなかが腫れた経験で(A-KON日記参照)、 ちょっと警戒したものの、カリフォルニアのメキシコ料理の方が少しマイルドだった。 昔からのお知り合い神谷明さん、今回初めてお会いしたセーラーヴィーナス深見梨加さ ん(クリィミーマミがデビューだとか!)少女革命ウテナのさいとうちほさん、 幾原邦彦さんと談笑しながらの楽しいお食事。
    でも、さすがに体力の限界が近付いてきた。


    ◆6月30日(金)
    前日、神谷さんのおっしゃったとおり、なかなかぐっすり眠れず何度も目を覚 ましながら、7時までベッドでねばる。これもアメリカとの厳しい時差のせいだ ろうか。

    ANIME EXPO の初日、8時半グリーンルーム集合。
    途中、庭の池の錦鯉(なぜここに?)の餌付けに出逢ってしまって、ちょっと寄り道。
    少しおくれていったけれども、それでも平気で30分は遅れるのがアメリカのコンベンション時間。 なんとなくゲストの写真撮影が終わると開会式の会場へ。ゲストの紹介、前年の チャリティーの売り上げの授与式、神谷明さんの開会宣言。私はダルマに片目を 入れた。ハイライトと睫毛をサービス。会場の盛り上がりはすごく、反応も正直 なのでマーケットリサーチに来る人にはわかりやすいだろうと思った。

     午後1時15分(今回は15分遅れ)で、私のFocus Panel。
    といっても、いつものとおりQ&Aなので質問される前にこの業界に入ったきっかけから話し始 める。作品について、一番お気に入りのキャラについて、ちなみにエージェント の壽桃さん、もう私がいなくても答えられるとのこと。場所によって反応によっ て少しずつ答えを変えて見て、私自身も気分のリフレッシュをはかっている。
    日曜日にはスタジオぴえろの布川社長の講演も予定されていたので、来年のことに ついてはそちらへとネタふりをしておいた。終わると壇の上にたくさんの人が一 緒に写真をと集まってきた。白人系のファン、いきなり上の方からガバっと肩を 抱いてくる、ちょっとびっくり!アジア系、隣で直立不動。アメリカ人も千差万 別。

    ひと休みして午後4時からサイン会。
    くじで整理券が当たった人が並んでいる。
    マミとまどかのスタンプを用意していったのだが、まどかが圧倒的だった。 隣で今回の会場での原画展の仕切りのGoFaの高瀬さんが「正」の字を書いてカウ ントをとっていたけれども、まどかのほうがマミの7、8倍多かったと思う。

    汗もかいたことでお風呂に入ると疲れが押し寄せてきて、ベッドでうたたねしてしまう。 目をさまし、あわてて今日最後の予定、Meet The Guest Receptionに出かける。
    会場のいくつものテーブルに一人ずつゲストが座り、20分の時間 交替でファンの人たちが同じテーブルについてお話しするというもの。通訳の人 がついていたものの、言葉の壁は厚く、しかもとにかくディズニーランドホテル は人工滝の音、エアコンのモーター音、ディズニーランドの工事中の音と、かな りうるさい。大声で会話したので2時間半で半月分以上しゃべった気持ちにな る。苦労はしたけれども、ファンの人たちとは共通の話題があるだけにどうにか こうにか通じ合うものがあったと思う。

    すべての予定が終わり、夜10時半から中庭のバーでスタジオぴえろやデジタ ルマンガ社の人たちと食事。ダラス以来、帰国せずにアメリカで働いていた飯島 さんとも久しぶりにおしゃべりする。
    布川社長、夢を語り、L.A.の夜は更けていく‥‥

    ◆7月1日(土)
    部屋に着くなりベッドに倒れ込んでしまったので、明け方目覚めてあわててお 化粧を落としてから前日の日記を付ける。疲れているのにハイテンションだから か、時差ボケか、とにかく長時間熟睡できないので困る。おかげで、こうして日 記を書くときのメモが残っているのだが‥‥

    グリーンルームの朝食は甘いものが多い。
    私は普段朝食に甘いものを食べないので、インスタント味噌汁を飲む。

    2回目のサイン会、プログラムと予定が変わっていたので集まった人が少な い。切り上げてグリーンルームに戻り、日本人ゲストに頼まれた色紙を描く。

    昼食はデジタルマンガ社とスタジオぴえろの出しているブースで会ったスタジ オの金子さんや現地の友人と隣のパシフィックホテルのレストランで食べる。こ こもディズニーランド直営なのだが、私たちの泊まっているメイン会場のディズ ニーランドホテルリゾートよりは若干大人っぽい雰囲気だ。マグロたたき、ワン タンサラダ、リブの煮込み、パン、白ワイン、ピザ‥‥美味しかった。

     午後1時ちょっと過ぎ、私の個展会場でスタッフの人と記念撮影。
    皆さん、熱心で真面目。会場のテーブルでポスターにサインする。
    今回、まどかのTシャツをつくったのだが、サイズはL.LL.XLで、やはり大きなものから売れてい くという。会場には色々なTシャツを着た人が歩いているが、私の中でのヒット は「変な外人」と日本語で書かれたもの。後にそれと双璧をなす「私はエッチ」 鉢巻きをした人にあう。意味は充分知っていると思うのだが、恐るべし‥‥

    わずかの合間を縫ってちょっとドライブ。
    スタッフのマークが Newport Beachに車で連れていってくれる。 レンタカーは青緑のメタリック。私の好きな色でし ょ、と言うことらしい。ホントはちょっと濃いめだけど、嬉しい。向こうでの時 間は殆どなかったけれども、会場を離れて息抜きになったし、なにしろ始めてき た場所なので行き帰りのドライブ自体が楽しい。ビーチでは近くをカモメが低く 飛び、広告の幕を付けた飛行機が高く飛ぶ。アメリカの雰囲気を堪能し、波打ち 際でバシャバシャ遊ぶ。浜辺に落ちていた海藻をかじってみたが、ひどくまずか った。アメリカ人があまり海藻を食べないわけである。

    5分遅刻で午後4時5分から Press Session 。今回はさすがに Press だけ会 って、少々突っ込んだ質問もあった。が、魔法少女ものはペルシャ、エミ、ユー ミとライバルが多くて大変ではないかという質問にはちょっとびっくり。同じ会 社がシリーズでつくったので同時期のライバルではないと説明。異様に詳しい人 と、こういった人が混在するのが外国であるせいなのかと、考える。この時の通 訳は高橋さん。私の担当だと初日に紹介されたわりにはちっとも側にいないと思 っていたら、こういったイベントの同時通訳に出ずっぱりだったらしい。今回、 日本人ゲストが私を含めて17人もいたので通訳不足が深刻だったらしい。引き 続きグリーンルームでL.A.在住の日本人と旅行者のためのフリーペーパーの単独 インタビュー。この時の人はちゃんと情報を得ているし、日本語のインタビュー なのでホッとする。

    ひと休みに部屋に戻り、入浴後、洗濯。
    夕食はメキシコ料理を誘われたけれども遠慮してパシフィックホテルの日本食 「山吹」へ。日本人が多く住むカリフォルニアだけあって、"日本食のようなもの" ではなく、ちゃんとした"日本食"だった。天麩羅、寿司、蛤のお吸物と王道「日本 の御馳走」シリーズでいく。普段は現地の食事に馴染んであまり海外で日本食を 食べない私にしては珍しく、日本食が恋しい。もしかすると甘すぎるものを受け 付けなくなっているのかもしれなかった。

    食後、Masquerade Party を見に行く。いわゆるコスプレ大会。予選会をくぐ り抜けて来ただけあってダラスよりも洗練されている感じだが、逆に破天荒な面 白さにはちょっと欠けるかなと思った。椅子がネタになっていて、繰り返し盛り 上がっていたのだが、言葉の壁以上のローカルネタという壁が立ちふさがり、さ っぱりわからなかった。

    布川社長のかわりにプロデューサー本間さんというメンバーで昨日と同じとこ ろで飲む。明日はいよいよ布川社長の講演、スタジオのスタッフはその成功を何 より願っていた。
2000年7月
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