ESSAY
2000年に立ち上げた旧公式サイトの日記を移転しました。今後の更新は、特別に残しておきたい思いがあった時に書くかも?
2002年11月
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<生活に足りないもの>2002年11月08日
愛犬イネとの永久のお別れから一月以上過ぎて、仕事も再開できました。仕事始めの1枚は、とても時間がかかったけれど納得のいくものになりました。来年 1月発売のエニックス文庫のカバーイラストです。リハビリも兼ねて5人の主要な登場人物をすべて入れ込んだ大きなイラストになりました。とにもかくにも再 び絵が描けるようになった解放感と、自分へのご褒美に、本当に久々に乗馬に行ってきました。
2月の終わりに落馬して以来、治療に2ヶ月、それから銅版画の集中制作を し、さあ乗馬再開と思ったところでイネが肺炎に倒れ、約10ヶ月のブランクでした。行くたびにお久しぶりーって感じなのですが、こんなに長い間乗らなかっ たのは初めてだし、生涯初落馬以来初めてのレッスンでちょっと不安もありました。でも、思ったより上手く乗れて一安心。正反動の速歩などは、以前より力が 抜けて上手くいったように思います。ただ、さすがに駆歩は反動の硬い馬だとちょっと恐い気持ちがして、馬もその雰囲気を察してすぐに止まってしまいまし た。でも、もうちょっと慣れれば克服できそうです。
2鞍のレッスンの後は乗馬クラブ内の探索。お目当てはポニーです。5月に生 まれたというアラブとの混血の子馬は肩の高さが腰までしかありません。でも、一人前に馬の格好しているんですね。ホントに可愛かったです。生えてきた冬毛 もふわふわと柔らかくて、初対面の私の方にふうーっと顔を寄せてくる仕草に心がぬくぬくします。もう1頭はそれよりも小さいサイズの純粋なポニー。もさもさっと生えた案外に硬い毛と、ぼうっとした顔が愛おしい感じ。2頭の顔をなでまわしてきました。
アラブ混血のポニーちゃん
純粋ポニーちゃん
このところの私の生活に足りないもの、それは“生き物”という自然との触れ 合いだったようです。15年一緒だったイネを亡くして、胸にぽっかり穴があく‥‥実感だった気がします。泣いて暮らしている訳ではないけれど、何かで心を 満たしたい気持ちがたえずあって、デパートの屋上のペットショップに子犬を見に行ったり、インターネットで犬の画像を探したり、触り心地が夢のようなパウ ダービーズの抱き枕やムートンの室内履きを買ったりしています。近所で犬を連れた人を見かけると、飼い主を見上げる犬の視線が羨ましくて、ついつい目が釘 付けです。先日も、買い物に行く途中ですれ違った茶色い柴犬が可愛くて、思わず見入ってしまいました。私のその視線に気がついたワンコは、道の向こう側に わたり遠ざかって行きながら、何度も私を振り返っていました。ちょっと幸せ。でも、犬の方では「こわーい、なんだろう?目から怪光線がでてるぅ」と思って いただけかもしれませんが。当分の間、犬を飼うつもりはないけれど、イネのことを忍びながら、色々なところから少しずつ、今の私にちょっと足りない“生き 物”成分を補充して行こうと思っています。
さて、今月14日から青山のGoFaでファンシーララの原画展が開かれます。詳し くはこのHPのNews & Infoにてご覧下さい。30日には3時からサイン会もあります。何とか元気にやっておりますので、皆さんご心配なく。でも、お悔やみを 言われると、もしかして泣いちゃうかもしれないので、お会いした時はそのお話はなしにしてくださいね。
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